【モノを大切に、自分らしく暮らす】木の雛人形・五月人形 [人と木]

手づくり絵本棚 人と木の絵本紹介『つみきのいえ』

[絵本⑯]絵本とは、誰かの人生を疑似体験するツールかも

2016年10月3日(月)

『つみきのいえ』
加藤久仁生 絵/平田研也 絵
白泉社

[絵本]つみきのいえ画像1

こんにちは。久保です。

たくさん絵本を読んでいますと、
絵本にもいくつかの種類があるなぁと思います。

●空想の楽しい世界に連れて行ってくれるもの
●知らない世界、知らない国や、その生活を見せてくれるもの
●自然や動物、植物について、やさしく教えてくれるもの
●昔から伝わる、みんな大好きなおはなし
●お話しから、教訓やいましめを学べるもの

特別な操作も、機械も必要とせず
お子さんでも読めるやさしいことばで
日常のなかでは経験することのできない、
さまざまな世界に連れていってくれるのが
「絵本」のすばらしいところじゃないかと思うのです。

そして、また、「誰かの気持ちになってみる」絵本も
最近は増えて来たなぁと思います。

そのひとつの例が、今回ご紹介する「つみきのいえ」です。
この絵本では「年をとる」という体験を
ファンタジックな絵と、素敵なおはなしで教えてくれます。

[絵本]つみきのいえ画像2

じつはこのおはなし。
最初はアニメ映画として発表されたものだそうです。

日本のクリエイターが2008年に制作。
「La maison en petits cubes」というフランス語のタイトルで発表し
第81回アカデミー賞短編アニメ賞を受賞。
その後、現在までに14の賞を受賞するなど
世界各地で多くの人の心に感動を与えているそう。

その映画をもとに
ご本人たちが絵本に仕立て直したものです。
ではページをめくってみましょう。



[絵本]つみきのいえ画像3

主人公はおじいちゃん。
海に囲まれた小さな家に住んでいます。

その家はなんと、水のなかに積み木を重ねたように建っています。
長い時間をかけて
街の水位が、少しずつあがっているため
どんどん、上へ、上へと、家をつぎたして暮らしてきたもよう。
いったい今は、何階建てなのでしょうか?



[絵本]つみきのいえ画像4

でも、そんな風変りな世界でも、
おじいちゃんはひとり、楽しく暮らしています。
ゆっくりと流れる、
静かな時間。
しかし、ある日事件が起こります。



[絵本]つみきのいえ画像5

家を上へ継ぎ足す作業が間に合わず
大切な大工道具ごと家が水の中に沈んでしまいました。

そこで、おじいさんは潜水服に身を包み、
水の中にある、下の階へと降りて行きます。
そこで、おじいちゃんが見つけたのは、
亡くなったおばあちゃんと一緒に
暮らしていた時の「部屋」。

懐かしい昔の思い出に包まれたおじいちゃんは
もっと下の「部屋」に降りてみたくなります・・・。



[絵本]つみきのいえ画像6

子どもたちと暮らした日々、
結婚した日々・・・
おじいちゃんの思い出に寄り添って
ページをめくるうちに、
「年をとること」そして「生きていくこと」について
考えさせてくれます。

とってもやさしくて、
とっても愛おしい一冊ですが
その反面、現実を見せてくれる本でもあります

子どもたちに、「年をとる」ことを
知ってもらう機会として
そしてまた、自分自身の人生を考える時間として
ゆっくりとページをめくりたい一冊です。
やわらかいタッチの表紙もいいですね。



[絵本]つみきのいえ画像7



そして、そんな『つみきのいえ』を収納するのにちょうどいい絵本用ラックが
人と木の「表紙が見える絵本棚」です!

[絵本]つみきのいえ画像5 Sサイズ(幅50cm)は、約50冊収納可能な、コンパクトサイズ。
Mサイズ(幅70cm)は、約70冊収納可能な、ノーマルサイズ。
Lサイズ(幅90cm)は、約90冊収納可能な、大容量サイズ
と、3サイズご用意しておりますので、是非ごらんください。
表紙が見える絵本棚はこちら>>

久保さん

久保浩志(しおまち書房)
1967年広島生まれ。大学時代に出版サークルに入部したことをきっかけに、広告やデザイ ンの世界に興味を持ち、情報出版社と印刷会社に計20年勤務。2013年より制作事務所「しおまち書房」として独立。「えほんマルシェ」のブランドで、中古絵本のセレクト販売も手がける。http://shiomachi.com/

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