【モノを大切に、自分らしく暮らす】木の雛人形・五月人形 [人と木]

手づくり絵本棚 人と木の絵本紹介「およげないさかな」

[絵本② ]やさしい愛情にあふれた、せなけいこさんの新作絵本

2015年8月3日(月)

『およげないさかな』
せなけいこ著
ポプラ社

[絵本]およけ?ないさかな画像1

こんにちは。
今年は梅雨が長引いたり、台風が並んでやってきたりと
なかなか天候に恵まれませんでしたが、
いよいよ、やっと夏らしい毎日が始まりそうですね。

そこで今回は、夏らしい絵本を取り上げてみようと
最初は『おばけのてんぷら』など、おばけの絵本を考えていました。
せなけいこさんの特徴あるイラストで、今でも大人気の絵本です。

ネットで調べて見ましたら、
その『おばけのてんぷら』をスタートとする「めがねうさぎシリーズ」は
なんと今年で 40 周年を迎えたそうです。
当時 4~5 歳だった子どもたちは、もう 44~45 歳になるというわけで、
まさに、世代を超えて愛される絵本といえますね。

その、せなけいこさんの新作絵本が 2015 年 7 月に出るということを知り
さっそく読んでみましたら、とてもすてきな絵本でしたので
予定を変更して、この新作『およげないさかな』をご紹介します。

この絵本、まず目を惹くのは白地に黒い線と赤い魚だけの
シンプルなデザイン。本の中のページも、この色合いです。
色が少ない分、想像力を湧きたてられる気がします。

[絵本]およけ?ないさかな画像2

しかも、写真ではわかりにくいのですが
アミになっている部分は、印刷の質感も変わっていて
手触りも楽しい絵本でした。冷蔵庫で冷やして
冷たい紙面を触りながら読むのもいいかも。

お話しも、心に残ります。
主人公は海の底に住む、赤いさかな。
ほかのさかなは泳げるのに、彼だけは泳げずに悩んでいます。

泳げないので、這って進むうちに
浜辺にたどりつき、そこで人間の男の子と出会います。

「ぼくおよげないんだ」
「ぼくもだ」

泳げない同士の一人と一匹は
なんと、スイミングスクールに通って泳ぎを練習します。

すると、プールサイドを歩いていた子猫がプールに落ちて
さかなは助けようとします。
そして気が付くと・・・。

・・・とまあ、ちょっとコミカルなお話です。
「およげない」というネガティブな想いを
まわりの仲間が決して否定せずに、
また、手を出さずに、本人たちの奮闘を見守っている。
そのやさしい佇まいを感じる絵本です。

[絵本]およけ?ないさかな画像3

私事になるけれど、ぼくは子どもの頃、泳ぎが大の苦手で
無理矢理スイミングスクールに連れて行かれまして
「いやだいやだ」と騒いでいたところ
先生に、水の中にぽちゃんと投げ込まれました。

必死にどうにかしようと手足をバタバタしていましたら
気が付いたら「犬かき」みたいな方法で泳いでいました。
その時は本当にうれしかったですね。
そして、ああ、投げ込まれたのは「がんばれ!」と伝えたい愛情だったんだと。
大人になってから気づくわけですが・・・。

その時と同じように、この絵本からは無我夢中で頑張っていると
出来ないことが出来るようになる・・・という
やさしい気持ちを感じるのでした。

いよいよ夏休み。
素敵な絵本との出会いで、
皆様の夏の思い出が増えますように。

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久保さん

久保浩志(しおまち書房)
1967年広島生まれ。大学時代に出版サークルに入部したことをきっかけに、広告やデザイ ンの世界に興味を持ち、情報出版社と印刷会社に計20年勤務。2013年より制作事務所「しおまち書房」として独立。「えほんマルシェ」のブランドで、中古絵本のセレクト販売も手がける。http://shiomachi.com/

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