Mar 01, 2018 絵本コラム

[絵本33]名前に込められた意味

『ふうとはなと たんぽぽ』
いわむらかずお 作
童心社

いやー、ほんと、寒かったですねぇ、この冬は。
日本海側の豪雪はあるし、インフルも大流行だし、
なんだかんだと大変な冬だったように思います。
ぼくもそうですが、いつもの年以上に強く、
一刻も早い、春の訪れを願った方々も多いことでしょう。

3月になり、三寒四温の毎日がやってきます。
前に天気予報で説明していましたが、この「三寒四温」。
気温がきれいに上昇していくのではなく、
一週間ごとに、
寒い日が5日、暖かい日が2日、

寒い日が4日、暖かい日が3日、

寒い日が3日、暖かい日が4日・・・といった具合に
その比率が少しずつ逆転していくんだそう。

だから、寒い日は「マジで寒い冬のまま」だったりしますから
春先というから安心せず、
みなさん、お気をつけくださいね。

さてさて、春の兆しを告げる兆しの一つに
植物の開花があります。
さまざまな花が咲き始める姿は、とても嬉しい光景ですよね。
「たんぽぽ」もその一つです。

今回、ご紹介するのは、その「たんぽぽ」の花と
野うさぎの兄妹「ふう」と「はな」の出会いの物語です。
作者は、絵本作家の「いわむらかずお」さん。
一番有名な作品は「14ひきのシリーズ」、やさしいタッチのイラストでおなじみです。

「ふう」と「はな」は、野原へ遊びにいきたくて仕方がありません。
お母さんの許しを得て、野原に向かいます。

「だれかが きたら、くさのかげで、じっとしているんだよ」とお母さん。
二人は、どこまでも広がる青い空の下をかけていきます。
ともに、空のにおいをかぎます。
そして、黄色い花たちと出会うのです。

黄色い花に見とれる二人。
妹の「はな」は「はなって すてきな なまえ」とつぶやきます。

何かがやってきて、お母さんのいいつけを守って隠れる二人。

すると、それは飛んできた昆虫たちでした。
自分たちが活動することで
花に「あたらしい いのちをうむんだよ」と話してくれます。

昆虫たちが、介在することで、新しい命を生み出す植物たち。
命の誕生の意味を、やさしく教えてくれる絵本なのでした。

Mar 01, 2018 絵本コラム