
『おふろだいすき』
松岡 享子 作
林明子 絵
福音館 書店

11月になりました。
すこし前までまだまだ残暑だと思っていましたら、
急に冷え込む日があったりして油断ならぬ天候ですね。
寒暖の差にはくれぐれもお気をつけくださいませ。
さて、冬が近づいてきますと、この季節ならではの
待ち遠しいことがいくつかありますね。
まず、一つは「鍋料理」でしょうね。
湯気のたつ暖かい鍋を囲むと、心身ともにリラックスできる気がします。
そしてまた、リラックスといえばやっぱりお風呂。
温泉も、スーパー銭湯もいいのですが、我が家のお風呂だって
寒い季節ほど、なんだかうれしいものです。
でも、小さなお子さんはお風呂嫌いも少なくないですよね。
そんな「お風呂嫌い」たちが、お風呂を好きになる(という噂の)絵本。
それが今回ご紹介する『おふろだいすき』です。

ふんわかした雰囲気の絵は、
『はじめてのおつかい』などでおなじみ、
林明子さんによるもの。
泡だらけのカバという不思議な表紙に、ついつい心惹かれます。
![[絵本]おふろだいすき3](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201711-03.jpg?cmsp_timestamp=208805)
主人公は、この男の子。
じぶんで服をぬいで、お風呂に入ります。
いっしょについていくのは
アヒルのおもちゃの「ブッカ」さん。
お湯かげんを確かめて、
まずは「ブッカ」さんが湯船につかります。

「ゆかげんはどうですか? ブッカさん」
それから、男の子もいっしょに入ります。
しっかりものの男の子は、じぶんで身体を洗います。
ゆっくりとした描写に、読者もまるでお風呂に入っているかのような
ほっこりとした雰囲気に包まれます。

でもビックリ!
なんと、湯船から、大きなカメが出てきました。
そして、ページをめくるごとに、いろいろな動物が増えていきます。
ペンギン、オットセイ、カバ・・・。

どんどん増えていく動物たち。
なんだか楽しくなっていきます。
本の感想には個人差があると思うので
この絵本でお風呂嫌いが治るかどうかはわかりませんが、
お風呂の湯気の向こうには、もしかしたら
いろんな動物が潜んでいるかもしれない。
そんな不思議な気持ちにさせてくれる絵本でした。
冷え込む日々のはじまり。
この絵本を読んだ後、ゆっくりと温まってみませんか。
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