
『きょうは、おおかみ』
キョウ・マクレア 文
イザベル・アーセノー 絵
小島明子 訳
きじとら出版
![[絵本]さるのせんせいとへびのかんごふさん画像1](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201602-01.jpg?cmsp_timestamp=202808103157)
こんにちは。久保です。
今月も素敵な絵本をご紹介します。
「人と木」さんも、ぼくも、活動の基盤は「広島」です。
海の幸にも山の幸にも恵まれた、住みやすい街だと思います。
そんな広島に、絵本の出版社さんがあるのをご存じですか?
それは「きじとら出版」さんという、かわいらしい名前の出版社です。
現在まで4冊の翻訳絵本を出版されておられます。
※2月末に5冊目を発行される予定です。詳しくは公式サイトへ。
代表は、翻訳家の小島明子さん。
2014年2月、翻訳絵本のコンテストで大賞を受賞され、
その時の課題作品が、今回ご紹介する絵本『きょうは、おおかみ』でした。
「深みのあるイラストやお話にすっかり魅了された」にもかかわらず
国内での出版の話はなかなか進まない状況だったそうです。
そこで小島さんは、その年のうちに自ら出版社を立ち上げ、
翌年の2015年にこの本を出版されました。
素晴らしいバイタリティだと思います。
そんなエピソードを持った、カナダ生まれの絵本。
『きょうは、おおかみ』を今月はご紹介します。
![[絵本]さるのせんせいとへびのかんごふさん画像1](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201602-02.jpg?cmsp_timestamp=202808103207)
登場するのは、お姉さんのバネッサと、妹のバージニアの姉妹。
ある日、目覚めたバージニアは「おおかみみたいに むしゃくしゃ」したきぶん。
「ぐるるる、がるるる」と、お姉さんのバネッサを困らせます。
バネッサお気に入りの黄色い服も「やなかんじ」とバッサリ。
お友達にも、
さえずる小鳥にも噛みつきます。
どうしたら、げんきになってくれるんだろう。
そんな姉の心配もむなしく、
妹はついに「ほっといて!」と
黙り込んでしまいます。
お姉さんは、それでも考え続けます。
「なにか きっと あるはずよ、あかるい きもちに なれること」
すると、おおかみバージニアは一言。
「このそらを とんでいけたら いいかもね」
そしてお姉さんは思いつきます。
妹にとって満足できる「せかい」をつくることを・・・。
(素敵な結末ですが、秘密にしておきます)
![[絵本]さるのせんせいとへびのかんごふさん画像1](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201602-03.jpg?cmsp_timestamp=202808103215)
なんといっても絵が素敵です。
そのまま飾ったり、雑貨にでもしたい雰囲気です。
優しい印象の手描きのイラストや文字。
そして淡い水彩調の色。
最近、欧米では若い人たちを中心に
こういった雰囲気のアートが人気ですが
それが絵本になった作品は
日本ではまだ少ないと思います。
いつもの絵本に慣れたお子さんもきっと驚くでしょう。
そしてまた、どんなにわがままをされてもくじけずに
妹の気持ちを考え続ける、お姉さんの妹への愛は、心を打ちます。
ぼくにも妹がいますが、もし同じ状況なら、
ほったらかしにして遊びに行くでしょう(笑)
相手を想う、相手に寄り添う。
そんな空気感を伝えてくれる絵本です。
![[絵本]さるのせんせいとへびのかんごふさん画像1](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201602-04.jpg?cmsp_timestamp=202808103224)
インテリアとして飾るのもいいですね。
妹さんが生まれたご家庭に
ギフトとして贈るのもよいかもしれません。
素敵な絵本と一緒に、
素敵な時間をお過ごしください。
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