
『さるのせんせいとへびのかんごふさん』
穂高順也文
荒井良二絵
ビリケン出版
![[絵本]さるのせんせいとへびのかんごふさん画像1](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201601-01.jpg?cmsp_timestamp=202808102810)
2016年を迎えました。 皆様、明けましておめでとうございます。
今年も「絵本」の素晴らしい世界を
紹介して参りますので、どうぞよろしくお願いします。
さて、今年の干支は「さる」ですね。
絵本の世界で有名な「さる」の作品といえば
アメリカの「ひとまねこざる」シリーズと
その後継作品「おさるのジョージ」シリーズですね。
あわせて半世紀の歴史を持つ作品です。
日本では、それに負けない長い歴史を持つ「さるかに合戦」もあります。
また、30年以上愛されている、五味太郎さんの「さる・るるる」などなど。
どの絵本に登場する「さる」も、
コミカルに描かれているのが印象的です。
さて、今回取り合げる絵本は、比較的新しい
1999年の作品「さるのせんせいとへびのかんごふさん」です。
![[絵本]さるのせんせいとへびのかんごふさん画像1](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201601-04.jpg?cmsp_timestamp=202808102838)
何といっても特徴的なのは、荒井良二さんの「絵」です。
昨年、福岡で開催されていた個展を拝見しましたが
発想の自由さと、型にはまらない描写表現には驚きました。
テレビ出演も多い方ですので、ご覧になった方もいらっしゃるかも。
![[絵本]さるのせんせいとへびのかんごふさん画像1](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201601-03.jpg?cmsp_timestamp=202808102828)
そんな荒井さんの「絵」の魅力を存分に味わえるこの絵本。
「さる」のお医者さんと「へび」の看護婦さんが主人公です。
穂高順也さんの淡々とした文章と相まって
文句なしに「楽しい」絵本に仕上がっています。
絵本の世界では「さる」も「へび」も、
ちょっとヒネくれたキャラに描かれることが多いですが この絵本では、そんな雰囲気はカケラもありません。
![[絵本]さるのせんせいとへびのかんごふさん画像1](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201601-04.jpg?cmsp_timestamp=202808102921)
「どうぶつむら」の「びょういん」には
いろいろな「かんじゃさん」がやってきます。
かぜひきさんのキツネだったり、
![[絵本]さるのせんせいとへびのかんごふさん画像1](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201601-05.jpg?cmsp_timestamp=202808102942)
健康診断を受けるクマのきょうだいだったり、
お腹が痛いブタさんだったり、
![[絵本]さるのせんせいとへびのかんごふさん画像1](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201601-06.jpg?cmsp_timestamp=202808102954)
最後は、鼻づまりに苦しむゾウさんも。
これらの「かんじゃさん」を救うため
さるのおいしゃさんと
へびのかんごふさんが大活躍。
ネタバレになるので、ここでは書きませんが
「こんな治療アリ?」と驚く
抱腹絶倒な治療が繰り広げられます。
それはもう理屈抜きに楽しいお話しとなっています。
楽しい読み聞かせの時間が過ごせる絵本です。
![[絵本]さるのせんせいとへびのかんごふさん画像1](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201601-07.jpg?cmsp_timestamp=202808103004)
「さらにこの絵本、
荒唐無稽な内容と思わせながら
治療の部分は、実際に医療で行われている動作を
コミカルに置き換えているだけなのです。
たとえば「注射」も、「注射器」ではなく
「へびのかんごふさん」がしてくれていると思えば
すこしだけ怖さは減るかも。
風邪などが心配な季節。
病院がきらいなお子さんの
心の準備にもなる絵本かもしれないなぁ・・・とも思います。
病院の待合室などにもおすすめしたい一冊です。
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