
『あかり』
林木林 文
岡田千晶 絵
光村教育図書
今年、2017年の「母の日」は5月14日(日)ですね。
今月ご紹介する絵本は、
「母の日」のプレゼントにもピッタリな
心にひびく、やさしい一冊です。
![[絵本]あかり1](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201705-01.jpg?cmsp_timestamp=20170501141704)
それがこの絵本「あかり」です。
やわらかなイラストの表紙はインテリアとしても
やさしくお部屋を彩ってくれるようです。
ページをめくると
一本の「ろうそく」に灯りがともされます
![[絵本]あかり2](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201705-02.jpg?cmsp_timestamp=20170501141741)
![[絵本]あかり3](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201705-03.jpg?cmsp_timestamp=20170501141747)
生まれたばかりの赤ん坊の女の子。
笑顔で見守っている家族。
そして、ほのかな灯りで照らす一本のろうそく。
女の子のお母さんが
娘の心に「やさしい あかりが ともりますように」と
願って作ったものでした。
そう、このお話の主人公は、
オレンジ色の光を灯す、ろうそくなのです。
![[絵本]あかり4](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201705-04.jpg?cmsp_timestamp=20170501141753)
女の子はやがて成長します。
誕生日をむかえるごとに、ろうそくには火が灯されます。
幸せな日を彩る存在として、
女の子と一緒に幸せな時間を過ごすろうそく。
![[絵本]あかり5](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201705-05.jpg?cmsp_timestamp=20170501141801)
ろうそくは、寂しい時や
嵐に震える夜にも、そばにいて
あたたかい炎を揺らして、彼女を見守ってくれます。
女の子はだんだんと大きくなり、
ろうそくは、少しずつ少しずつ、小さくなっていくのです。
そして女の子は大人になり、
家を出て新しい家族を迎えます。
ろうそくもまた、一緒に新しい家族を照らし続けます。
そして、時間が過ぎ、ろうそくに最後の火が灯される日が
やってきます。
![[絵本]あかり6](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201705-06.jpg?cmsp_timestamp=20170501141809)
1ページ、1ページ、かみしめるように
ゆっくりと絵を眺めながら読んでいくような絵本。
なんといっても素敵なのは、
絵のあたたかさでしょう。
暗がりをやさしく照らす色合いは
見ているだけで、ひきこまれそう。
ずっと見ていたい、そんな気がします。
ちょっぴり哀愁を帯びたストーリーも
心にうるおいを与えてくれる気がします。
そして同時に、自分のお母さんのことを
思い出す人もきっと少なくないはずです。
ろうそくに込められた母の想いは
その娘から、さらに子どもへと
引き継がれていきます。
「きっと、こんなふうに、母は自分を見てくれていたのかなぁ」
そんなことを想いながら
ページをめくりました。
![[絵本]あかり7](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201705-07.jpg?cmsp_timestamp=20170501141816)
これは著者からのメッセージですが
「そっと見守ってくれる」「そっと寄り添う」存在として描かれたろうそくは
きっと私たちの母であり、父であり、家族や恋人、友人のことなんだと想うのです。
親が子を想い、子が母を想う。
誰かを想うやさしさ。
そんなあたりまえのありがたさに
ふと気づかせてくれる絵本です。
![[絵本]あかり8](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201705-08.jpg?cmsp_timestamp=20170501141821)
これからお母さんになるあの人に。
あなたのお母さんに。
そして、あなた自身に。
この本がきっと、
あたたかい気持ちを届けてくれるでしょう。
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