
『つみきのいえ』
加藤久仁生 絵/平田研也 絵
白泉社
![[絵本]つみきのいえ画像1](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201610-01.jpg?cmsp_timestamp=202808110503)
こんにちは。久保です。
たくさん絵本を読んでいますと、
絵本にもいくつかの種類があるなぁと思います。
●空想の楽しい世界に連れて行ってくれるもの
●知らない世界、知らない国や、その生活を見せてくれるもの
●自然や動物、植物について、やさしく教えてくれるもの
●昔から伝わる、みんな大好きなおはなし
●お話しから、教訓やいましめを学べるもの
特別な操作も、機械も必要とせず
お子さんでも読めるやさしいことばで
日常のなかでは経験することのできない、
さまざまな世界に連れていってくれるのが
「絵本」のすばらしいところじゃないかと思うのです。
そして、また、「誰かの気持ちになってみる」絵本も
最近は増えて来たなぁと思います。
そのひとつの例が、今回ご紹介する「つみきのいえ」です。
この絵本では「年をとる」という体験を
ファンタジックな絵と、素敵なおはなしで教えてくれます。
![[絵本]つみきのいえ画像2](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201610-02.jpg?cmsp_timestamp=202808110510)
じつはこのおはなし。
最初はアニメ映画として発表されたものだそうです。
日本のクリエイターが2008年に制作。
「La maison en petits cubes」というフランス語のタイトルで発表し
第81回アカデミー賞短編アニメ賞を受賞。
その後、現在までに14の賞を受賞するなど
世界各地で多くの人の心に感動を与えているそう。
その映画をもとに
ご本人たちが絵本に仕立て直したものです。
ではページをめくってみましょう。
![[絵本]つみきのいえ画像3](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201610-03.jpg?cmsp_timestamp=202808110531)
主人公はおじいちゃん。
海に囲まれた小さな家に住んでいます。
その家はなんと、水のなかに積み木を重ねたように建っています。
長い時間をかけて
街の水位が、少しずつあがっているため
どんどん、上へ、上へと、家をつぎたして暮らしてきたもよう。
いったい今は、何階建てなのでしょうか?
![[絵本]つみきのいえ画像4](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201610-04.jpg?cmsp_timestamp=202808110542)
でも、そんな風変りな世界でも、
おじいちゃんはひとり、楽しく暮らしています。
ゆっくりと流れる、
静かな時間。
しかし、ある日事件が起こります。
![[絵本]つみきのいえ画像5](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201610-05.jpg?cmsp_timestamp=202808110551)
家を上へ継ぎ足す作業が間に合わず
大切な大工道具ごと家が水の中に沈んでしまいました。
そこで、おじいさんは潜水服に身を包み、
水の中にある、下の階へと降りて行きます。
そこで、おじいちゃんが見つけたのは、
亡くなったおばあちゃんと一緒に
暮らしていた時の「部屋」。
懐かしい昔の思い出に包まれたおじいちゃんは
もっと下の「部屋」に降りてみたくなります・・・。
![[絵本]つみきのいえ画像6](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201610-06.jpg?cmsp_timestamp=202808110603)
子どもたちと暮らした日々、
結婚した日々・・・
おじいちゃんの思い出に寄り添って
ページをめくるうちに、
「年をとること」そして「生きていくこと」について
考えさせてくれます。
とってもやさしくて、
とっても愛おしい一冊ですが
その反面、現実を見せてくれる本でもあります
子どもたちに、「年をとる」ことを
知ってもらう機会として
そしてまた、自分自身の人生を考える時間として
ゆっくりとページをめくりたい一冊です。
やわらかいタッチの表紙もいいですね。
![[絵本]つみきのいえ画像7](https://img05.shop-pro.jp/PA01313/899/etc/ehon_201610-07.jpg?cmsp_timestamp=202808110613)
最近の記事























