『みえるとかみえないとか』
ヨシタケシンスケ 作
伊藤亜紗 相談
アリス館
どーもー!
今月ご紹介する絵本も、わたくしがドハマリ中の「ヨシタケシンスケ」さんの絵本です。
こちらも、MOEさんの絵本屋さん大賞の2位の作品です。
1位2位独占です。
その名も「みえるとかみえないとか」。
このタイトルで、もう、ぜったい読みたいと思いました。
「かの英雄ナポレンが我輩の辞書に不可能という文字はないと言ったとか言わないとか」的な?
とても風情のある言い回しで、好きです。
うやむやにしつつも、一つ高い次元へ持っていってくれるような気がします。
そんな素敵なタイトルの「みえるとか、みえないとか。」
どっちかに限定する意味がないというか、どっちでもいいじゃない そんなことよりも。。。と、
本当に大切なものを気づかせてくれるようです。
この絵本ができたきっかけというのも、
もともとは「目の見えない人は世界をどう見ているのか」(伊藤亜紗/著)という
視覚障がいの本の絵本化を依頼されたヨシタケさんが
熟考の末、 テーマを「視覚の有無」から「お互いの違い」へと広げて作られたそうです。
いろんな星の調査をする宇宙飛行士の僕が、「3つの目をもつ宇宙人」のいる星へたどり着きます。
「3つの目をもつ宇宙人」からは、「2つしか目がないの?」と驚かれ
「背中が見えないなんて可愛そうだ、背中の話はよそう」と、気を使われてしまいます。
そんな「3つの目をもつ宇宙人」の中にも、生まれつき後ろの目だけ見えない宇宙人がいて
お互い2つの目しかないので、話が盛り上がって、なんだか安心しちゃう僕がいます。
いままでいろんな「当たり前」が存在する星に行ったけど、生まれつき全部の目が見えない宇宙人もいました。
目が見えない人の世界の感じ方は僕とずいぶん違っていると思い知らされるのでした。
メモは見えないから録音する、とか
物を置く場所は決めておかないと「探せない」ので部屋はいつもキチンと片付いている、とか
自動販売機は買ってみるまで何が出てくるかわからない、とか。
もしも、目が見えない人ばかりの星があるとしたら、と想像を膨らませます。
声のいい人がモテるんじゃない?とか
服は手触りで選ぶのかも!とか
電気をつける必要がないから、夜は街灯もなく真っ暗なんじゃないか?とか。
考えたらもっと出てきそうです。
私も思いつきました。
高い化粧品は売れない。
アンチエイジングという言葉にそそられない。
プリントTシャツが売れない。
思い出は写真で残さない。
なんか、すごい世界な気がしてきました。
と同時に、目が見えない人は、目が見える人が多い地球で暮らすのは、大変なことも多いだろうなと思いました。
自分と同じところを探しながら 違うところをおもしろがればいい そんな、名言でしめくくられています。
大人になればある程度わかるけど 小さいときにこの感覚を持つと持たないのでは
心の底に根付く思いやりの心が違ってくるのではないかと感じました。
ヨシタケさんいわく、普通に笑いながら読んで欲しい絵本だそうです。
真面目に受け止めすぎるのではなく、読み終わったあとにちょっとだけ見方が変われば嬉しいとのこと。
すべての人に、特徴があって
同じようにみえるけどみんな違って
目が見えるとか見えないとかだけじゃなく
あの人と、同じなところと
あの人とはちがうところ 全部おもしろいじゃないか、
と思える絵本でした。
またまた、ヨシタケワールドにどっぷりです。
2月の絵本プレゼント
「みえるとかみえないとか」を1名様に
応募期間 2019年3月15日(金)まで
応募方法 下記応募フォームよりご応募ください。
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